女は開き直り、余裕の表情で俺に命令した。 とんでもない事になってしまった。 厄介な事に巻き込まれた。俺はしぶしぶ車を新宿方向に向け、走らせた。 「新宿まで行ったらおりてくれよ」 俺は女に諭す様に言い聞かせた。 しかし、わかってもらえたのだろうか? 「新宿まで行ったらサッサと用事を済ませるから、そしたら池袋に戻ってくれないかしら」 「なにぃ!?用事ってなんなんだよ」 「うん、ちょっと買い物」何かヤバい物でも取引するのか? 冗談じゃない!トラブってとばっちりなんか受けたらたまったもんじゃない、それだけはゴメンだ。 益々不安がひろがる。 新宿に着くとアルタ前を過ぎたあたりで車を止めて、と、女は言った。 女は車の窓を開けると、キョロキョロと辺りを見渡した。 そして何かを見つけたのか、指を二本立てて、何かに合図を送ったようだ。 しばらくすると、頭をかきながら、B系の男が近づいてきた。