「おい!どーした?」
少し聞き覚えがある声だ。しかし、里沙は反応せず目を閉じている。
すると・・・
ガバッ里沙を抱えこんだ。
「さっきの子やんか!大丈夫か?病院連れていったろう」
さっきの男の子だった。
里沙は慌てて下りて、言った。
「ほっといて下さい!」
「え!?あ、ごめん、大丈夫か?」
「大丈夫なんかじゃないですよ!!大丈夫、、、、、じゃ、、」
里沙は泣きながら叫んだ
男は少し戸惑った様子でいる。
里沙は何も言わず走って駅まで向かった。
帰ろー。
腫れた目を隠すように下を向きあるき、家へ帰った。
ベットに横になり、明日起きたらすべてが夢かも?そう思いながら眠りにつく。
朝になり目が覚めても、見えない無数の針は胸に 刺さったままだった。
そのまま里沙は丸一日、ベットの上で胸の痛みと戦った。
何時間ぐらいたったのか
里沙にとって辛く長く感じる時だった。
一日がおわろうとしている時に、突然携帯がなった。
え!?この着信音は!
里沙は慌てて電話にでる。少しトーンの低いこえで
「はい。」
もしかして
謝りの電話かもしれないと、変に期待している自分がいる。
「里沙、ごめん。あの女俺にしつこくて、彼女って言ったらお前の事傷つけそうで、、」
里沙は一瞬何を言われたかよくわからなくなっていた。
「本間にごめん、俺はお前しか好きじゃない、信じろ!」
この時の里沙は、疑う心も持たず、勇の言葉に涙でいっぱいになっていた。昨日の苦しみも不安も嘘のように無くなっていた。