ネメシス・2話

びりー  2007-11-22投稿
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雨はいつの間にか止んでいた。
作戦前とあって傭兵達は異状な興奮状態だった。


そんな中、ネメシスは一人冷めていた。
過去のトラウマのせいか、作戦に参加する事を止め様と思っていた。


作戦は開始され、一人森に残ったネメシスは、村から逃げて来た2人の男と女を見た。

ネメシス
【....村の生残りか?】
しかし、その背後には数人の傭兵達が追手が近くまで迫って来ていた。


ネメシスにはどうする事も出来なかった。
2人を助ける事も、また殺す事も。
只、見ているだけだった。


それがこの世界だった。


2人の男と女が森付近に近付いた時だった。
多分、この場を見てない者は絵空事と思うほどに。


頭部に【EMETH】と書かれた巨大な人型の岩が、山道の守り神が動いていた。


ネメシス
【....ゴーレム?】

ゴーレム自体が、絵本などの空想物の産物と思っていた。
信じられない光景だった。
ゴーレムは、逃げて来た2人の前に立つと、2人を守り傭兵達と戦い始めた。


ゴーレムの手が、傭兵達を虫でも散す様に飛ばしてゆく。

力の差は歴然だった。
巨大な岩の塊を【剣】で切る事自体が無謀だった。

残った傭兵達は本隊が、居る村へと逃げていった。


2人の男と女は泣いていた。
【村を助けて!EMETH!!】
ゴーレムは2人の姿を見つめると、村の方へ歩き始めた。

【大丈夫!EMETHは俺達の守り神だろ。きっと村を救ってくれる....きっと。】
男はそう言うと、泣いている女を優しく抱締めていた。


ネメシス
【守り神?....そんな存在を認めろと言うのか?
アレはバケモノだ!!】

ネメシスは【神】など信じられなかった。
自分の過去を救ってくれなかった【神】
2人と同じ状況に居たのに、自分を救ってくれなかった【自分勝手な神】


ネメシス
【アレが本当の神だと言うなら、俺は神を殺してやる。】
ネメシスはゴーレムを先回りし、本隊の駐留する村へ急いだ。


つづく

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