男は母親に抱かれた14才の時間にいる。
女は言う
『そっち向かないで』
男の背中にささやいた。
今日が何日か、あれからどれだけの日数が経ったのかもハッキリわからない。
一人ぼっちの旅人は少しだけ大人びた。
玄関から
光の中へ出てみたい。
もう一度だけ
すべてを忘れて笑ってみたい。
あなたに甘えたい…
ここは薄暗い
寒くて死にそうだね。
『僕を中絶してほしかった』
終