車で30分ほど走ると桜町に入る。見覚えのある場所に出るとアタシは恭クンをナビした。
「その角曲がって!!!」
「あ、3件目で止めてください〜。」
恭クンはアタシたちの指示通り車を動かし停めた。
「今日はすみません。」
藍治は恭クンに謝った。
「ほんと君は人間ができてるねぇ。家にもだけどオレの店にもおいで。」
すっかり藍治は恭クンのお気に入り。
「絶対行きます!!!じゃ。椿、アリガト。また明日な。」
そう言って藍治は車を降りていった。
アタシと恭クンは藍治が家へ入るのを確認すると我が家へと車を進めた。
「藍治クンておまえの友達…??」
恭クンが前を向いたまた訊いた。
「うん。1年の時同じクラスで今は生徒会が一緒だよ。」
「へぇ〜…」
「え、何??」
アタシは怪訝そうな顔をした。
「イヤ、別に。」
「…変なの〜。」
次の日いつものように学校に行くと生徒会室に藍治の姿がなかった。
「え…何で藍治いないのよ。」
アタシは無意味に不安になった。いつもなら遅れるなら必ず連絡がある。
「メールもきてない。どーしたんだろ???」