「あぁ、これでナニモカモすべてから解放される‥」
そうつぶやきながらハルは風を感じながらゆっくりとまぶたを閉じた。
早くお嫁さんになりたいと夢見ていた子供だったあのころ‥
まさか大人になった自分が今こうしてる事、考えもしなったはず。
子供が出来、幸せいっぱいだったあのころ‥
まさか先の人生に待ち受けてるもののスケールのデカさに気付くはずもなく。
「人なんて、ほんの一瞬の判断、決断で180度世の中が変わっちゃう」
目をつむりながらハルは再確認していた。
「90度なら、も少しましだったかなぁ(^。^)」
『ははっ』
今度は声を出してハルはほくそ笑んだ。
風が痛いくらい冷たい。
耳の感覚がなくなってきた気がした。
ハルはもう何も考えず無になっていた。
飛ぶことにだけ集中した。
最後に飛んでみたいと思った‥
けど‥
27階は以外と長かった。
こんなにも考える時間があるなんて‥
ハルは確かにその時飛んでいた。
第三者が納得する理由なんてきっとないだろう‥