「会いたい」が言えなくて‥?

ヒユロ  2007-11-23投稿
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いつからか‥
彼が笑わなくなった‥
どーして‥
私の目を見ないの?‥

「ねぇ、仁くん!来月ガンバッテみよっか!」

少し間があった。

「‥今、あんま欲しくねぇかな‥」

うつむいたまま彼は言った。
(なんで‥?あんなに欲しがってたのに、なんで急に‥?)
「あっ、そーなんだ‥また欲しくなったら言ってよね!」私は精一杯、明るく答えた。

結婚して5年、やっと子供が欲しくなってきて、子作りに励んで早10ヵ月‥
子供なんて避妊しなきゃすぐ出来ると思っていたのに、甘かった。
なかなか出来ないもんだな‥

毎月きちっと生理が来て、その度にちょっと鬱に入る。

精神的に滅入ってたから一ヶ月あけてみたのに‥
どーして?
なんで仁くんあんな事言ったんだろう?

そー言えば、最近仁くんの笑った顔見てない気がする‥

あれから更に一ヶ月、また私は恐る恐る、同じ質問をしてみた。
「仁くん、赤ちゃんどーしよっか?‥」

また少し間があった。

「今はまだいらねーかな‥」
また私を見ない。

「どーして?」

「‥わかんねー」

もう何も聞けなかった。
恐かった‥
何かが狂い始めてる‥

数日後、彼の携帯の請求書が届いた。
2万5千円!?
いつもの倍以上だった。
「仁くん、今月すごく高いよ〜!ピンチ〜!」

少しおおげさに言ってみた。
「あぁ、今月は会社でよく使ってたから‥請求したら戻ってくるしな‥」
「うん‥」

確かに彼の会社は、毎月明細書を会社に提出すれば、少しは戻って来るけど‥

それにしても‥?

私のモヤモヤはピークに達していた。

その数日後、明細書が届いた。

その夜、どーしても胸騒ぎがして、私は夜中にベットを抜け出した。

いつもはちゃんと見た事がなかった明細書‥

あれを見れば、きっとはっきりする‥

隣りの部屋の電気を付けると、机の上に置いてあったはずの明細書が無かった。

(仁くんだ‥)

私はすぐに彼のカバンを開けた。

やはり明細書が入っていた‥

(ホントに見ていいの‥?)

私は自分に問い掛けた。
(これでスッキリする!大丈夫だよ!何もないよ!だってあんなにも仲良しだったのに‥)

呪文の様に、私は何度も心の中で唱えた。

でも、ホントはわかっていた‥

私の予想通り、そこには見知らぬ番号があった。
同じ時間‥

同じ番号が‥

毎日の様に‥

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