短編より短編

モルディブ  2007-11-23投稿
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ボクは5限目の大学の授業をさぼり、昼間にいやがらせのように降った雨の独特の匂いがする街を特にあてもなくフラフラ歩いていた。
毎日同じような繰り返し。ボクは大学4年間で何か見つけられるんだろうか?など思うことが多くなった。そう思うと気持ちがどんよりする。
街は仕事を終えた社会人でいっぱいだ。人混みが苦手ではないが何故か今日はイライラする。はっきり言って授業をさぼってまで街に出た意味はない。それが原因なのか?
ボクは何も生まれない自問自答を繰り返し余計にイラつく。
こんな日はさっさと家に帰って寝るに限るのだが、ボクは何かに押さえつけられるように街をさ迷う。何もないのに…
あまりにも人が多いのでボクは意味もなくコンビニに立ち寄り雑誌の印刷を目で追った。
雑誌特有の匂いを感じながら目当てがあるわけでもなくページをめくる。ふと目にとまった記事に
『何もすることがないということは苦痛である』と書かれていた。
ボクは正にそのとおりだと思い、また自分の今の状態を言われているようで、さらに気持ちがどんよりした。
「何をしたらボクはこの苦痛から抜けだせるんだ?」
そう思っていたと思ったのだが呟いたらしく高校生の集団に笑われた。
恥ずかしくなってボクはコンビニを後にしてまた街に出た。
また雨が降りそうだ。ボクはやっと家路に向かう決心がついた…

続く

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