うさぎは寂しいのがきらいです。
だからいつもうさぎの周りには友達がたくさん囲んでいました。
うさぎは仲間意識がとても強い子でした。
仲間の悪口を言う子には、その人もいいところがあるのだと、必死に言い続けました。
寂しい思いをしたくなかったからです。
誰一人欠けてほしくなかったのです。
ある日うさぎは出会いました。
同じ仲間意識の強い、あらいぐまに。
あらいぐまの周りにいる人たちは、いつも笑顔であふれていました。
うさぎはあらいぐまに恋しました。
何でも笑ってやり過ごし、みんなを笑顔にさせる。
あらいぐまの得意分野は、うさぎが憧れていたものでした。
うさぎとあらいぐまは想いが通じ合い、付き合うことになりました。
あらいぐまは、みんなに好かれているうさぎに恋をしたのです。
似た者同士の二人は、毎日笑顔で過ごしました。
とても幸せでした。
うさぎは少しずつ、仲間との距離を感じるようになりました。
仲間もまた、うさぎと距離を感じていました。
うさぎはいつの間にか
仲間よりも、あらいぐまとの時間を多く過ごしていました。
だから仲間の異変に気付きませんでした。
いつの間にか、仲間全体が薄い関係になってしまっていた。
うさぎは広く浅くを通していたから、離れていく友達を
ムリに引き止めることができませんでした。
あらいぐまは毎日うさぎのところへやってきました。
少しずつ、会話が減ってきました…