手のひらに、浮かぶいくつもの線は、一体どういう意味なんだろう…。
私は、幸せになれるの? それとも、今、幸せなの?
つまらない世界史の授業中、私はじっと自分の手のひらを見つめ、そんな事を考えていた。
「ぉぃ、おいって!」
後ろの肥後君が肩を叩いた。
「はぃ?」
「俺ぢゃなくて、前だよ、前!センセ!」
「あっ!はっ…はい。何ページ…?」
平穏な高校生活…、なんとなく付き合ってる友達。 恥ずかしいから一応作った隣のクラスの彼氏。
そして一番くだらない私。吉宮 咲 17才。