こんな日に雨が降るなんて空が黒く濡れるなんて
日差しに目をそばむ君
雲はまだ遠くだと
小さな笑窪が浮く
背筋伸ばす私
白い虹を二人でと
こわばる口が笑う
骨ばった首筋
甘い朝の匂い
熱を失う手と手
人知らず漂う
カアテンの向こうに
君がいた気がした
こんな日に雨が降るなんて空が黒く濡れるなんて
哀しみが漏れ出して
セロハンが剥がれ落ち
太陽の継ぎ目から
十月の雨が降る
こんな日に雨が降るなんて空が黒く濡れるなんて
置き去りにされたのは
虹と君の温もり