チャット イズ スマイル

湯島 朗  2006-03-28投稿
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(聞こえるな。踏切の音。)
 カンカンと電車が来ると言う知らせの音。
(私、これで幸せだ。)
 そう思っていた。
「やめろ!!」
 そういって、男の人が飛び出してきた。美咲を抱えて、線路をわたりきった。
「何するんですか。」
「どうにもこうにも、何やってんだ!」
「死のうと思っただけですよ。私、生きてなくていから。」
「―――――――――っ。」
 言葉をなくした男は、美咲をはたいた。
「生きてなくてもいいって、なんだよそれ。」
 震える声で、美咲に訴えかけた。
「死ぬなんて!!寿命の時だけでいいんだよ!!自殺だとか、そんな無意味な死に方・・・幸せに
 なるなんて1秒でも考えてみろ。人生、終わったもんだぜ。」
 そこまで言うと、落ち着きを取り戻した。じゃあな、2度とするなよと言って去って行った。


(あの人も、いじめにあった事があるみたい。)


―――――――――成人になるかならないか・・・。


(あの出来事は、今年の事だ。誠十さんは成人になるかならないか。それが今年・・・。)
 ガバッと、起き上がった。
(私、誠十さんとあってる!?)



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