何不自由ない時代9

シンヤ・G  2007-11-24投稿
閲覧数[394] 良い投票[0] 悪い投票[0]

それから僕が低温睡眠に入る経緯などを話しているうちに、上空からかすかにかん高い噴射音がしてきた。見上げると飛行機がホバリングしている。
何かが降りてきた。ロープにつかまった人だ。恐らく配達員だろう。地上に降り立った配達員を見て驚いた。人ではなく人型をした機械だったのだ。
「ご注文の品物です。お受け取り下さい」
機械配達員がそう言った。少し電子的だが、流暢な日本語だった。その上に動作も人間的だ。何度も思うが、凄い時代だ。しかしパニックになるほどでは無い。500年前にも自由自在に動く小型人型ロボットが存在していたからだ。
男性は「有り難う」と言って品物を受け取り、配達員は飛行機に戻って行った。
「どうぞ」
男性が箱を僕に差し出している。
「有り難うございます」
僕は箱を受け取った。
「支払いのほうなんですが……」
僕がそう言いかけると、男性はこう言った。
「お代は結構です。困った時はお互い様です。溺れている人を助けて救助料金を請求する人がいますか?それでは失礼します」
男性は足早に去っていった。僕は固まってしまった。これで良かったのだろうか。まぁ、今回は甘えさせてもらおう。
早速携帯通信器を起動させ



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 シンヤ・G 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ