帰り。
「宇治原,行くぞ。」
浅木クンがファイルであたしの頭を叩いた。
「痛ッ...」
頭を擦りながら浅木クンについていく。
会議室にはまだ生徒会のメンバーしかいなかった。
あたしらは指定された席に座る。
早く始まってくれないかなあ??
「....治原,宇治原。」
浅木クンに呼ばれてた。
「あッ,ごめん。何??」
「お前,なんかいい事あったのか??」
「べ...別に...」
図星をつかれて口ごもる。
「どうせ,瀬上と何かあったんだろ??
お前らメールしてるみたいだし。」
何で知ってるの??
浅木クンに瀬上クンのコトなんて,一言も話したコトないのにッ!!!!
「何で知ってるの??」
「別にいいじゃん。
てか宇治原,瀬上のコト好きなんだろ??」
「えッ...」
瀬上クンが好き??
言えるはずない...
「お前が嫌いでも,瀬上は好きみたいだし。
宇治原のコト。」
「はッ??」
あたしは驚いてしまった。
「な...何言ってんの!?」
とっさにそう言ったけど,嬉しかった。
「宇治原,お前単純だな。
顔がにやけてる。」
浅木クンがいたずらに笑う。
「べ,別ににやけてないもんッ!!」
「顔,真っ赤だよ??」
あたしは自分のほっぺを触る。
「うるさいッ!!!!」
熱いほっぺたを隠すために,机にうつ伏せになる。
笑いながら浅木クンが
「宇治原いじるの楽しいし♪♪」だって。
議会が終わって,あたしは急いで帰る準備をする。
「浅木クン,ばいばい!!」
カバンを持って,一応浅木クンに挨拶をした。
玄関まで行って思い出した。
マフラーがない??
....
あッ,会議室!!!!
あたしは会議室までダッシュした。
階段で浅木クンとすれ違い。
「どうした??」
「会議室にマフラー忘れたのッ!!」
「ふ-ん。」
階段を全部上りきった所で
「宇治原-。」
浅木クンに呼ばれた。
「何??」
あたしは振り返る。
「もしかしてこれ??」
浅木クンがもってたのは,薄ピンクのバーバリーのマフラー。
「それッ!!!!」
あたしは階段を一気に下りる。
「はい。」
「ありがとう(^_^)」
浅木クンからマフラーを受け取った。
近くの時計を見たら17:30。
少しは時間あるなぁ...
あたしは急いで帰った。