「よぉ、今日も眠そうだな?」
そう声をかけたのは、谷島竣人の親友、中里雅(みやび)である。彼らは幼稚園からの仲、家族ぐるみで仲がいい(らしい)。
「うっせ……ふぁぁ…」
「ハハッ、やっぱ眠そうじゃーん??」
二人の会話を見た希望が私に何か耳打ちしようと、片手を筒状にして口に当て、もう片方の手で手招きをしている。
「ねぇねぇ、美咲って谷島のこと好きなんじゃなかったっけ…?」
「Σえっ??
う…うん……///?」
「やっぱりー?
アタシ、協力してあげよっかぁ??」
「えっ、いやいや、いいよそんなこと?」
「いいって、いいって?遠慮しない?
…それに…アタシも中里のこと…好きだし?///一石二鳥ってこと?美咲が谷島とくっつけば必然的にアタシと中里も……」
びっくり。初耳である。
「えええぇぇえぇッ??」
思わず大声を出してしまった。私の大声で谷島、中里が振り返ってこっちを怪しげな目で見る。
「しーーっ???なに大声出してんのー?」
「す…すみません?
で…でも知らなかった…希望、中里だったんだ…」
「うん…///
去年ね…アタシが階段で男子にぶつかられて転びそうになったとき、助けてくれたんだぁ…??」
「お…おぉ…」
なんという単純な理由。まぁ、そういうことがきっかけで恋に落ちる人も少なくはないのだが。
「?なんかいった、美咲??」
「え゛??ううん??
す…すてきな理由だなぁーと思って????」
×04に続く?