私は 旦那の転勤で 東海地方に引越した
生まれてはじめて 故郷を離れた
最初は忙しくしていた
夜 一人になることが多くなった
友達が欲しい
メル友でも良いかな
携帯のサイトでメル友を探した
一度 書き込みしたら 何十通もメールが届いた
慣れてない私は読むのに必死だった
中には 一回五万円でという訳のわからないメールもあった
私はとんでもない所に書き込みしたのかも…
怖くなって返信できなかった
それから毎日のようにメールが届く
[…が気になる。返信待ってる]
この なんでもないメールに私はドキドキした
気になって仕方なくなって 恐る恐るメールをうった
[はじめまして…]
後は何を書いて良いかわからず 一言だけで返信してしまった
[メールありがとう。すごく気になって話してみたかった…]
素直にうれしかった
それから毎日 メールが始まった
夜 一人の時は家庭のことは忘れていた
この時間だけ…
メールだけ…と自分に言い訳しながら
旦那との時間は良い妻
どちらも本当の自分
自分にとって有意義な日々を過ごしていた
[声が聞きたい。少しだけでいいから話したい]
このメールで 今まで両立してきた私の心が崩れていくことは この時は気付きもしなかった
電話で話す
何も知らない人と
浮気になるかな
私は思い切って電話した
不思議と緊張しなかった
メールで話してたせいか前からの友達のような感覚…
それから電話で時々話すようになった
いや…電話を待つようになっていた
声しか知らない人を好きになり始めていたのだ
旦那とはギクシャクし始める
それはそのはず
私の心は両立できなくなってしまっていた
旦那は私に冷たくなった
私のせい…
電話を待っている私がいる
「会えないか…」
「…会いたい]
私は後先考えず答えていた