雨の降った日2

ゲンタ  2007-11-24投稿
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「ねぇ、なんで雨が降るか知ってる?」
彼女はズボンをはくために立ち上がった僕に、顔をいっぱい近づけて目をクリクリさせて言った

また始まった

と僕は思った

日向 チイ

彼女は僕と同い年で22歳 二年前に知り合い、付き合いだしたのはたしか一年と半年くらい前だったと思う
今は大学に通いながら僕の家で同棲している
こうゆう曖昧な記憶を彼女に知られれば

「あなたは覚えるのは苦手で忘れることは得意だものね」
とうるさく言われそうなので、いちいち触れないようにしている

彼女がクリクリした目で話しかけてくる時は決まって得意な空想持論を僕に解く時だ

例えば、地震が起きるのは地下に住む地底人がお祭りをしているからだとか

海のどこかには宇宙に抜ける穴があって魚達は宇宙と海を行き来しているとか

例をあげればきりがない
話しに付き合えばきりがない

「いや、わかんないなぁ」と話しをそらそうとするのだ



逆効果

「教えてあげようか?あのね」
話しは進んでいく

もう勝手にしてくれ

「人は毎日少なからず罪を犯して生きているの。だから怒りや悲しみを与えたり与えられたりして生きてるのよ」

ふぅ〜ん

「だから神様が雨を降らせてそんな気持ちを洗い流そうとしてくれてるの」

神様ねぇ

「でも最近の人達は傘を使ったりして雨にうたれることが無いでしょ?だから悲しい事件が起こったりしてるのよ」

なんじゃそりゃ

「だから君は時々ずぶ濡れになって帰ってくるのか」
続く



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