消えない過去第56話

ニャオ  2007-11-24投稿
閲覧数[231] 良い投票[0] 悪い投票[0]

起きたのは何時だろうか、日が沈みかかっていた。
遅い朝飯を食べ二人で外に出かけた。
買い物に行こうと言う。
ある貴金属店にふらりと入っていった。
俺も貴金属は好きだから買えないくせに、ショーケースのガラスに顔が付いてしまう位見入っていた。
由美が向こうのほうで俺を手招きしている。
傍に行くと腕のサイズを測るからと袖をまくった。
手に通したのは金無垢のロレックスだった。
店員がサイズを合わすのにこまをはずしていた。
何々?と思い由美を見ると、「おそろいだね〜」と笑いながら言って自分の時計を俺に見せた。
支払いはもう済んでいた。
強引なプレゼントだ。
こうでもしないと俺がもらってくれないと思ったのだろうか?
「気持ちだからとっといて」と言う。
俺は由美にまだ何もしてあげてないのにこんな高いものもらっていいのだろうか。
由美は言った。
「自分のことをこんなに話したのは俺が初めてだ」と。
そして俺が、じっと真剣に聞いてくれていたから気持ちが和らいだと言うのだ。
しばらく店にいけないから時計を私だと思っていつも身に付けていてほしいと言う。
またしばらく伊豆のほうの仕事に戻るみたいだ。
由美はソープの仕事で腰を痛めたらしい。
よほどハードだったのだろう。
俺はそれから週に一回は3時間近くかけて由美に会いに行くことになる。
ホストは客に惚れてはいけないと先輩から教えを受けているが正直なところ俺は由美に愛情を抱いている。
とんぼ返りで仕事に間に合うように始発で向かい夜には戻ってくる。
逢うたびに毎回愛し合っているのだが、由美は俺にこうしてほしいとかああしてほしいとよく語りかけるセックスをする。
そして女はどうすれば感じるかのすべてを教えてくれた。
調教されているような気分だが俺がうまくなるということは由美にとってもプラスになるのだ。
俺は女性を思いやるセックスを教わった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ニャオ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ