天使、人間、悪魔…
大人、女、子供…
そして一般人、兵士…
無差別に皆死んでいた。
わが子を庇ったのか、子供を抱き締めながら動かない人間の死体。
怒りの形相で睨み付ける天使の兵士の死体。
そして顔の表皮が火傷してただれて表情が判らない悪魔の死体。
震えが止まらなかった。
初めて見る人の『死』
何故か涙がこぼれ落ち、とても寒く感じた。
俺は堪らず母親に抱き付いた。
母親も俺を優しく抱き締めてくれた。
あたたかい母親の腕の中で、俺はずっと離れたくないと思った。