僕は犬だった・・・
ある寒い夜、ちょっと人肌
が恋しいそんな夜だった。
飼い犬の僕・・飼い主であ
る山ちゃんが夜の散歩に連
れて行ってくれる事に少し
テンションが上がっている
、と言ってもシッポ振る程
度のリアクション。
さて久々の外の空気、13
時間ぶりのシャバ!それも
そのはず犬の一生は人間の
それに比べるととてつもな
く短いのだ、久々と思うの
も無理はない。
この辺りは住宅街が続く
そしてしばらく行くと、川
が流れてる。その川辺を歩
いて一つ橋を渡り、そのあ
と商店が並ぶ中をくぐり抜
け、もうひとつ橋ん渡って
家に帰る、それが僕の散歩
コースだった。
今夜8時位だろうか、川
辺の道はランニングしたり
僕の用に散歩をしている、
犬と人間等様々な雰囲気だ
。
「おっこんばんは!みっ
ちゃんも散歩?」と山ちゃ
ん。
みっちゃんとは、近所の人
らしく性別はメス、人間の
感覚から見るとけっこう可
愛いらしい。
「あら山澤さんもお散歩
なの?」とみっちゃん。
そう、山澤とは山ちゃんの
名前、ちなみににみっちゃ
んはというと三神と言うら
しい。
山ちゃんがみっちゃんに
求愛行動しているのは、犬
の僕にも分かりやすかった
。人間の言う愛とか恋とか
言うやつだ。
僕は山ちゃんを飼い主と
して認めていたので、応援
していた。
「じゃっ!また!」山ち
ゃんは、そう言い残しみっ
ちゃんと別れた。
散歩の続きである、橋の前
まで来て山ちゃんは言った
「久々にこっち歩こうか
?マイク」
実は、僕はマイクと呼ばれ
てるこの呼び名に対する僕
の評価は、まあまあだ。