(‥‥なんなんだ‥‥‥コレ‥‥)
少しの間、頭が真っ白になっていた。
何が起こってるんだろう?
現実‥だよね‥?
一瞬わからなくなった。
私の回りだけ、まるで時間が止まったかの様だった。
でも時計はチクタクと音をたて、正確に時を刻んでいた。
もうすぐ2時になろうとしていた。
(‥‥女‥だよね‥?)
明らかな証拠を目の前にしながら
それでも私はまだ信じられないでいた。
仁くんに女の人がいるなんて‥
私は明細書を手にしたまま、ぼーっとそれを眺めていた。
現実を、まだ受け入れられないでいた。
どれくらいたっただろう‥?
私は見るのをやめ、明細書をクローゼットにしまった‥
そして部屋の電気を消し、彼の寝ているベットに戻った。
そこにはいつもと変わらない、仁くんの寝顔があった。
(嘘だ‥‥)
仁くんの腕にギュッとしがみついた。
頬をつたうあたたかな涙は、彼に届く頃にはもう冷たくなっていた。
その夜
涙は止まらなかった―\r
だけど‥
冷たい涙は
この日から
もう止まる事はなかった‥
平凡だけど、穏やかで、それなりに幸せだった
毎日‥
まさか
こんな未来が待っていたなんて
あの時の私は
夢にも思わなかった‥
―もう二度と
あんな恋は出来ない―