僕と野球と彼女とその他 3

diamondS  2007-11-25投稿
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…軽く失敗だったな。


時刻は午後2時すぎ。
頭から水をかぶったのだが
…肌に付いたほこりが中途半端に流れて余計に泥だらけになった。

くそ。

練習が終わり,制服に着替える。

先輩たちは部室で。
1年生は外で。
(たぶん伝統)

「帰るのめんどくせぇなぁ。」
阿村が漏らした。

高校に入学して約2ヵ月。
地元通いだった中学とは違い帰るのにも時間を要すのにはなかなか慣れなかった。

つーか阿村は地元組のチャリ通じゃん!!
(県道近くだと言っていたので多分チャリで30分くらい。)



中途半端に流れた泥と汗。
…着替えるのにもべたべたして,
その後のやる気を根こそぎ持ってかれた気分だ。


「今朝マネージャーと一緒に来たの?」

泥だらけの指でYシャツのボタンと格闘している僕に井川が言った。

「家がおんなじ方向なんだよ。駅がひとつ違うけど。」


事実を言うと,
井川はふーんと平たく返した。



…なんか不満かよ。



カンカンカンカン



外階段を駆け下りる音。

部室塔は上が女子部で下が男子部だ。



「木奈くん!!」

覚えのある声はマネージャーだった。

各男子部の女子マネージャーは共同で1つの部屋を更衣室として使っていて,
野球部の真上がそれだった。


「ごめんね忘れてた!
1年生集金するんだ。練習着とかバックとかのお金!」

そう言うと
彼女は封筒の束を僕に見せて,その内の1枚をくれた。

…さっきから持ち歩いてたのはコレだったらしい。


彼女は他の1年の名前を確認しながら封筒を手渡していく。
買った内容で
みんなの金額が違うようだ。


…たぶん
…結構確実だと思うけど

…高校入学から約2ヵ月。




彼女は野球部1年の顔と名前が未だに一致していない。


かなり戸惑いながら(そう見えただけ?)配り終えた彼女は
"お疲れさまでした"と言って飛び跳ねるようにまた階段を駆け上がって行った。




僕的にはかなりドツボで…した。
…にゃんとなく。


「1年誰でもいいからコーラ買って来てー」
部室からナカムラ先輩が言った。
…続

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