絶対あきらめない第2章

 2007-11-25投稿
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(前回の続き)
私は迷う事なく美夏の退院を希望した。早くここから出さないと美夏が死んでしまう気がした…。退院させてしばらくすると病院へ帰りたがる…。病院へ相談して2年間入退院を繰り返した。完全に家に戻った美夏は発作の回数も増え、ちょっと目を離すとリストカットをしてしまう。
家中の刃物を隠し、美夏が薬で寝ているわずかな時間に料理を済ましていた。急に叫び出したり
笑いながら美夏にしか見えない人との会話が始まる。そうかと思えば食事中に急に硬直して椅子から落ちる。一瞬も気が抜けなかった。そんな変わり果てた母を彩希はずっと見ていた。始めは怯えていた彩希も小さいながらに理解して頑張ってくれてた。『彩希の為にも私が頑張らなアカン!』ただその気持ちだけでガムシャラやった。美夏が寝てくれる唯一の時間が私の時間やった。でも、それも長くは続かなかった。寝ると無意識に排便してしまうからまた起こして風呂に入れた。
完全に退院させ、2年間こんな生活が続いた。
彩希も 7歳になった。
もともとしっかりしている彩希に私は本当の事を話すべきかどうか散々迷った揚句に、私が全て責任を取る覚悟で包み隠さず病気の話しをした。
彩希は一言、『頑張る』と言ってくれた。わずか7歳の彩希が母が過呼吸を
起こせば紙袋を持って口にあてていた。美夏にとって恐怖の幻覚が始まれば『彩希がやっつけたるから大丈夫や』と言いながら見えない人をやっつける行動をとる。たまたま見つけた刃物も自分のオモチャ箱へ隠して私に報告してくれた。そんなけなげな彩希を見て私は絶対に治してみせる!!たとえ何年かかってでも…と心に深く決めた。
ある時、知人から中国の占い師のような先生を紹介された。あまり宗教的な事が好きじゃない私やったけど 旦那に美夏と彩希の面倒を見てもらってなんでもやってみようと思って行った。何も話してないのにズバズバと当てる!その先生が何も言わずじっと私を見つめた。その目を私もじっと見つめていたらなぜか自然に涙が溢れた。毎日張り詰めている何かが緩んだ気がした。その時 先生が『美夏を助けれるのはあなただけ』と、たどたどしい日本語で言った。その言葉を聞いた瞬間にものすごい勇気が沸いた!またそこから1年頑張れた。



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