―春―\r
誰だ…?桜の木の下にいるの…パッキンじゃん…女…?あれ?あの子…
「…平…恭平!聞いてんの?」
「え?何?」
「何じゃないし!!マジムカツク!!」
どうやら彼女は俺に何か話してたらしい
「恭平リカが話てんのにいつも無視じゃん!ぼ-っとしすぎだよ!」
「ごめんごめん。何の話だっけ?」
「もうい-よ…てか何見てたの?」
「別に…」
「女?」
「キレんなよ。桜見てただけ」
「嘘つ…」
軽くキスをした。
「お前うるさい」
「恭平…」「何だよ?」
「あたし達さぁ付き合ってんの?」
「さぁ…」
俺はいつもいい加減だった。面倒な事は嫌いだし飽き性だし女なんて論外だった。
特に嫉妬深い奴なんて最悪だ。違う子と話しただけでぐたぐた言われたり,毎日毎日電話やメールがきたり。遊ぶの断ったらキレるし。最終的には泣くし…
今までそれで別れてきた。自慢じゃないけど告った事も振った事もない。告るのも振るのも面倒だったから。
何もかもがうざかった…自分も…
「じゃあ何でキスしたの?」
「どーでもいーじゃん」
「よくないよ!!」
「さっきから何なのお前?」
「わかんないの?!…リカ恭平が好きなんだよ!!…ずっと好きだったから一年の時から何度も話かけてたんだよ!」
「…へぇ」
「付き合って…」
「…好きにすれば」
リカは高一の頃違うクラスからよく俺のクラスに遊びに来てて話す分には楽し―し,外見はギャルっぽくてわりと可愛い方だったから仲良くする分には別に良かった。
高二になって同じクラスになってからは毎日のように俺にまとわりついていた。別にそれがうざいとかは思ってなかったし,付き合っても何も変わんないと思った。
「リカと付き合ってくれるの?」
「別にいーよ」
「恭平…リカ頑張るね!!」
そう言って笑った。
ふと桜の木を見るとさっきいたパッキンの女の子がいなくなってた。
「いない…」「え?」
「いや何でもねぇよ」
あの時が本当の出会いだったんだよ…
俺がお前を見つけた…