「早く起きろ!ったく〜何時になったら一人でおきれんだよ」
「う〜ん、あと5分だけ寝かして」
わたしは何時ものごとく、二つ年上の兄に朝起こして貰うのが子どもの頃からの日課になっていた。
でもホントは兄が起こしにくる前には目が覚めているんだけど…。
「じゃあ早く降りてこいよ」
そう言うと私の頭をポンッと叩いて私の部屋から出ていった。
おはよう…大好きなお兄ぃちゃん。
制服に着替えてリビンクに降りて行くと母親が兄に話していた。
「今日はお祖母さんの所に行って遅くなるから夕飯用意して置くからメグミと二人で食べといてね」
「うん。」
「ママおはよ〜。」
「あら、メグミお早う。今日…」
「遅くなるんだよね、聞こえてたよ」
「じゃあお願いね」
ふぅ〜ん。今日はお兄ぃちゃんと二人だけか、なんか久しぶりに二人だけだから少しドキドキ。
「じゃあ先に学校行くよ」
「待ってよ〜メグミも一緒に行くから〜」
「朝ご飯は?」
「もう時間ないからなぁ〜い」
「まったく何時もメグミは!隼人みたいに早く起きないからだよ」
「わかった、わかったから、じゃあ行ってきま〜す」
学校は何時も通りに淡々とノルマをこなしていたがメグミだけは帰ってからの、お兄ぃちゃんと家で二人だけしか居ない事実だけが頭の中を埋め尽くしていた。
「メグどうかした?」同じ中学からこの高校に入学したシュウが昼休みに声を掛けてきた。「今日なんだかボンヤリしてるよ〜。」シュウとは中学の頃は顔見知り程度だったけど、この春、高校に来てから、たんに隣りの席になり何となく話をするようになってからは常に一緒だ。
「ハハッ…そうかな」
「そうだよ!絶対!!」
「うん。そうかもね」
そう!本当はそうなんだ、でも…こんな事、シュウにも言えないよ。
お兄ぃちゃんを好きだなんて…男として。
何時からだったのだろう、お兄ぃちゃんをオトコとして意識しだしたのは?
そうだ、お兄ぃちゃんに貸した小説を返して貰おうと兄の部屋で本を探している時に机の引き出しの中にコンドームを見付け、何個かは使って在るのをみてショックで慌てて自分の部屋に逃げた、、お兄ぃちゃんもやっぱり男だったなんだ…。
決めた!!メグミの初めての相手はお兄ぃちゃんに…。