診察室に入るとさっき撮った写真が貼られていた。
(何か…、違う。)
それは素人のあたしが見ても分かるぐらい不自然な写真。
「説明しますと、片側の卵巣に水がたまっているみたいです。それによって普通よりも大きく膨らんだ状態になっています。」
(それで?悪い病気なんですか?)
心臓がありえないぐらい速く脈を打っている。
「状態としては悪いものではないので経過を見る方向で行きましょう。
ある日突然、水が抜けたりすることもあるので今の状態なら慌てて手術する必要もないですよ。」
非常事態でないことにとりあえず安心して力が抜ける。
「次は半年後に来てください。」
そう言われてから半年。
半年後に再び行く診察が妊娠に繋がるなんて、この頃は思いもしなかっただろう。
そう思い出しながら車酔いをして気分が悪くなりシートで横になる。
今日は旦那が休みを取ってくれて病院について来てくれた。
「妊娠してたらどうすんの?
産むよな?」
「…。」
気分が悪いのを理由にして返事をしなかった。
これからどうするのかまだ迷ってたから。
病院につき、産婦人科へ向かう。