あたし達は、毎日三回の電話と週末のデートをして、幸せな日々を送っていた…修の仕事はパイロット。 空を守る仕事は修にピッタリだった。そんな修をあたしは誇りに思ってたよ。 毎日毎日命懸けの仕事をしている修の安らげる居場所にあたしはなりたかった。そして、修が世界で一番欲しがっていた‘家族’に あたしはなりたかった。
「しゅ〜、しゅ〜が仕事から帰って来たら、電気のついた温かい部屋にあたしが待ってるってどう???」修は最初驚いてたけど 「みきちゃん、そういう事はね、女の子が言っちゃダメだよ。ちゃんと俺が言いたいんだから」
そう照れながら言ったよね。
それから数日後 「ずっと一緒にいてください。みきちゃんが必要だし、みきちゃんがいないと俺は駄目だから…」 そうプロポーズをしてくれたんだよね。あたしね、あの時今まで生きてきた中で一番嬉しかったよ。 あたしはあまりの嬉しさに泣き出し「うん」って答えるのが精一杯だった。
それから2ヶ月後… 神様の悪戯で、あたし達の未来は少しずつ崩れていったね。
それはまるで、最後の1ピースが見つからなくて飾ることができないパズルのように心の奥に、ずっとずっと奥の物置に、しまわなければならなくなってしまうんだ。