気付いたとき、私はどこにいるのか、何が起こったのか分からなかった。
工事現場を通った。
それから?どうした?
考えても思い出せなかった。
「璃花?・・・璃花!」
誰かが私を呼んでいる。翔太?母さん?誰?
私は目で見ようとした。けどマブタが開かなかった。
徐々に意識がハッキリし始めた。きっとそれは母さんだった。
(母さん)
「先生、璃花が!璃花が!意識を!」
先生?てことは学校?
(母さん)
「あ!ナースコール!」
ナースコール?病院?
そこが病院と分かった瞬間、上半身に激痛が走る。
痛い!何これ!!
その痛みは、1人の人が一生に感じる痛みの度を、だぶん超えていた。
その後、私は知った、あれから3日、3日もたっていた。
私の体は、脳によるダメージで脳障害になっていた。お医者の先生の話だと、下半身不随、視力障害、会話による障害。
生と死の間をさまよっていたらしい。
(母さん)
「本当によかった。でも翔ちゃんのおかげよね」
そういえば翔太は?大丈夫なの?
(母さん)
「けど翔ちゃん可哀想よね」
可哀想?どう言うこと!
(母さん)
「璃花を助けてくれたのは助かったけど・・・・」
助かったけど!何!?
翔太!
翔太!
その時
(母さん)
「あ!翔ちゃん!」
(翔太)
「ども、おばさん。璃花が意識、取り戻したって?」
翔太?よかった!死んじゃったかと思った!
私は唯一、体で動く左手で翔太を探した。
翔太、翔太翔太翔太・・・
私の左手は、何か鉄の物に触った。
その後、翔太の体を掴んだ。
何かおかしい。
(翔太)
「璃花、試合に勝つっていったけど。もう無理」
何!
その後、私は気づいた。
(翔太)
「ごめんな。約束まもれなくて」
翔太、あ、足が、足が!
足が・・・無いよ。
私は悲しくて、しかたがなかった。
なのに、私の目からは涙すら流れなかった。
ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!
ごめんなさい・・・
私は「その日」翔太の一生涯的な物を奪った。
そして自分の絶対的な物を失った。
私は
自分を
呪った
あの日、じゃなかったら。翔太を誘わなければ。
翔太は言った
「よかった。生きていてくれて」
私は死にたかった
続く・・・