不安になり救急車に駆け寄ると、とても可愛い浴衣を着た愛がタンカに横たわっていた。
僕は無理矢理救急車へ乗り込み、一緒に病院へ向かった。
その道中、僕はずっと愛の手を握って、
(僕)『愛、わかるか? ゆうだぞ! 愛!』
うっすらと目を開け、愛は何かを言おうとしてる。
(愛)『…んね……ゆう…君………なさい…』
か細い声で何度も繰り返し、手を握り返してくる。
(僕)『も〜すぐ病院だからな。頑張るぞ愛!』
僕は泣きながら愛を励ます事しか出来なかった。
愛は出し切れる精一杯の力で僕を引き寄せ、涙を手で拭いてくれた。そしてまた、か細い声でこう言った。
(愛)『……好き…よ』
僕は泣きながら、
(僕)『お前元気じゃねぇかよ! 俺だってずっと好きに決まってんだろ! こんな始まり方でいいのかょ愛!』(愛)『…今…始まった……から……終わり…を覚悟…して…る…』
愛が僕の耳元で口にした最後の言葉だった。
病院へ到着し間も無く、愛は息を引き取った。15歳と言うあまりにも短い人生に幕を下ろした。
その日に打ち上げられた花火ほど残酷なものはなかった。
葬儀を終え愛のお母さんから、
(愛の母)『愛の机にゆう君宛ての手紙があったから渡しておくわね。。愛、毎日ゆう君のお話ししてたのよ。』
笑顔でそう言いながら手紙を差し出した。
手紙には、僕への想いが書いてあった。
『今ゆう君と電話で喋ってる! すごく嬉しいぃ〜 早く会いたいよゆう君に。
ゆう君の事大好きだから……
この手紙を読んでるって事は、あたしたち付き合ってるんだよね?
なんかすごいね!
も〜キスもしちゃったのかな?
あたしファーストキスだから最高のキスにしてよね!
だけど今日は喘息がひどくてぜぇ〜ぜぇ〜いってるよぅ。。。
なんか疲れちゃったからもぅ寝るね。
おやすみ。大好きだよゆう君』
『始まったから終わりを覚悟してる…』
僕には深すぎて未だに理解が出来ません。
これを読んでるあなたは考えた事ありますか?
愛、俺まだバカだからわかんねぇや。。。
教えてくんねぇ〜かな…?