二回目のチャットで仲良くなったのは、28才の独身の東京の人だった。
単なるひやかし。
とおるからのメールがないあいだの暇潰し。話がはずむ。
気負いがない分、好きに話せた。
子供のような彼に、若い気持ちにさせられた。
『東京にはこないの?』
『行くことないよ』
『残念だなぁ』
『彼女いるんでしょ?』
『いないよ、もてないし(笑)』
『そか〜(笑)』
『ね、メルアド教えてよ、メルともになろ』『メルともかぁ、いいよ』
その場ののりで、とっさに携帯を教えてしまう。
しまった。
『ありがとね、これから仕事だから、またメールいれとくね』
『了解』
その場かぎりのつもりが、携帯を教えてしまった。
あとにはひけない。メール友達だし、関東、関西じゃ会うこともないか…
たつやと名乗る青年と、とおるとを挟んで私がいる。
奇妙な関係ができあがってしまった。