色盗人クロオがやってきた。漆黒の目、漆黒の体、漆黒の顔。
暗黒の闇を身にまとい、見るもの全てに恐怖を与え、総ての光と色を自らの中に奪い取る
色盗人クロオがやってきた。
「ミドリカワとモモヤマがやられたみたいだ。」
アカダは沈痛な面持ちで話し始めた。
集まったのはアカダの他にアオキ、シラトリ、キバヤシの三人。
皆、恐怖に引きつった顔をしている。
「俺は戦うぞ。」
重い沈黙が続いた後アカダが意を決したように言った。
「このままじっとしていてもやられるだけだ。それなら一か八か戦ってやる!
クロオがなんだ!」
キバヤシはアカダの言葉に顔を上げかけたが、やがてすぐ諦めた様に再びうつむいた。
「無理だね。クロオは強すぎる。」
彼は自虐的に笑った。
「・・・それより僕は逃げて逃げて逃げまくってやる。
もともと逃げ足には自信があるんだ。クロオだって特に僕にこだわってるわけじゃないし、
うまく身を隠せば通り過ぎて行ってくれるかも。」
「悪いけど俺はそんなに楽天的になれないな。」
アオキは冷静に言った。
「・・・でもアカダの言うことも賛同できない。
」