龍雅との話し合いの末、感情が過ぎたために店を飛び出した結奈は休日の午後の街中で一人帰路についていた。
その結奈を少し離れた後ろの位置から付け狙う五、六人の少年グループがいた。
「あいつだよな?」
「あぁ〜、なんか楽勝じゃね?」
「なんか貧相な女だべ?今回は金だけもらうだけにしとく?」
結奈が細い路地に入ると少年達は全力で結奈に向かって走り出した。
結奈は直ぐさまその気配に気付き、後ろを振り返ると最初に飛び掛かって来た少年の胸倉を掴み内掛けで倒した。
少年達は結奈の予想外の行動に全員動きを止めた。
「嘘?何今の??」
「ぜってぇまぐれだ!!みんなやんぞ!!」
少年達は全員で結奈を取り囲み一斉に飛び掛かった。
結奈はその内の一人の腕を掴むと自らのところに引き込み、その勢いで背負い投げを繰り出した。
少年達がその様子に再び動揺している間に結奈は逃走を試みた。
少年達もそれを見て全力で追い掛ける。
程なく三人掛かりで取り押さえられ更に別の少年に一種の催眠ガスを含んだスプレーを吹き付けられると結奈は一瞬にして気絶した。
「くそっ!!なんて強い女なんだよ」
「女相手にこんなの使うって…」
そこに結奈を取り囲む少年グループにハーツが近づいて来た。
ハーツ「ご苦労様…、随分とてこずったみたいだな。」
ハーツの一言に少年グループのリーダーは声を荒げた。
「なんだと!?大体話しが違い過ぎるんだよ!!金は倍以上頂くかんな!!」
ハーツは鼻で笑い、一言呟いた。
ハーツ「これだから愚猿は…」
するとハーツの後ろから若い男の声がした。
若い男の声「こいつらの処理は俺に任せろよ。ハーツさんは結奈を持って行きなよ。」
そこには黒いサングラスをかけたギャル男が立っていた。
少年グループのリーダーはその男に言い放った。
「てゆうかおめぇみてぇな男女見っとムカつくんだよ…だから殺す」
若い男「どうぞご自由に…てゆーかおめぇみたいなのに殺れんのか?」
若い男の一言で少年グループは一気にギャル男に飛び掛かった。
しかしギャル男は余裕の笑みを崩さなかった。