「え…あ、何??」
アタシはハッとする。何で引き留めちゃったんだろ…。そうだ…とりあえず何か言わなきゃと思ったんだ。でも何も言えない。
「えっと……き、気をつけてね。」
アタシはどもりながらそう言った。でも藍治の顔は見れなかった。
「んー。じゃあね。また明日。」
藍治はバイクの音と供に行ってしまった。
アタシはトボトボ自分の部屋に戻った。
どうしよう……。
気付いたらケータイを握り、画面に鈴子サンのケータイ番号を出していた。
呼び出し音が鳴る。
プルルル…。お願い出て。プルルル…。━4回目の呼び出し音で鈴子サンは出た。
『もぉしもーし。』
いつもの気だるい喋り方。
「鈴子サン!!!どーしよう!!!藍治が!!!」
『えー…告られた??』
アタシはものすごくびっくりした。
開いた口が塞がらないとはこういうことか…。
『ちょっと椿ー??もしもし??』
「あっ……何で、何で判ったの??もしかして知ってた!??」