自転車男

すてねこ  2007-11-28投稿
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午前6時20分。いつもの時間。いつもの場所に僕はいる。

河川敷のサイクリングコース。愛用のママチャリに跨がって、道行く人々を観察する。
何のために?もちろんそれは、いつものあの娘を探すためだ。
毎日この時間、この場所を通るあの娘。

やがて、ペダルを漕ぐ音が聞こえてきた。この音は……あの娘だ!

振り向こうとした瞬間、僕の横を疾風が過ぎていった。

あの娘は疾い。とんでもなく疾いのだ。あっという間に背中が小さくなってしまった。もう追いつける距離にはいない。


また、今日もダメだった…。

明日こそ、明日こそきっと!必ず追いついてみせる!

そして横に並んであの娘の横顔を拝むのだ!



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