あれから何ヶ月?何日?何時間?経っただろうか…
真っ白く何も無い部屋で彼…すなわちロミオは目覚める。
「あれ…?ここは??この前居た部屋とは違う様だけど…??」
ロミオはまだハッキリしない意識の中で辺りを見渡す。
周りはこの間自分が寝ていた研究所の様な所とは正反対で清潔感溢れる白い部屋で眠っていた。
「フフフッ…やっと起きたの?…貴方よっぽど疲れていたのね…?フフッ…」
ロミオのちょうど真後ろからその声が聞こえた。
ロミオがギョっとして後ろを振り返ると真っ白い壁にもたれて座っている金髪の少女が居た。
「…!君は誰だ!?」
ロミオはすかさず跳び起きて彼女と距離を取る。
「……私?……私は貴方の家族……貴方のパパとママは私達のパパとママ…フフッ…」
少女は静かにしかしハッキリと言い放つ。
「???…何言ってるんだい君は?」
「………貴方は今知る必要は無いわ……いつか分かる日が来る……私の名前はアリスよ……フフッ」
それだけ言い終わるとアリスはスクッと立ち上がりその部屋から出て行った。
「一体どういう事なんだろう…僕は一体何なんだ…うううっ…」
ロミオは頭を抱えながらその場に座り込む。
すると頭の中で誰かの声がする。
(ロミオ…私の可愛いロミオ……)
「(あぁ…ママの声だ)」
その声は確かにこの前の部屋にいた女…ジェシカの声だった…
(ロミオ…早くベットの下に向かいなさい…)
次第に頭痛は酷くなる。
「(ベットの下……)」
そう言いながらフラフラと先程自身が眠っていたベットに向かう。
(えぇ…そうよ…ベットの下に貴方の武器があるわ…早くそれを取りなさい…)
「(武器…?嫌だ!僕には武器なんて必要ない!ママ!何処に居るの?ママ!!)」
ロミオは必死に声の主を捜すが、見付かるはずもなくその場に崩れる。
〓ロミオがいる部屋とは別の場所で〓
「どうだ、ジェシカ?NO-07は使えそうか?」
この組織のボスと言われる太った男が通信機を耳に付けた女に話し掛ける。
「ロミオ…………ふぅ…駄目ね。07は精神が不安定過ぎるわ…欠陥品ね…」
そう言うと付けていた通信機を荒々しくデスクに叩き付ける。
「私は07は最高の出来だと思ったのに!!」
「クククッ…だから言ったろう?玩具に心なんて必要ないんだよ…」
〓第2話完〓