二人の出会いは、ちょうど1年前。まだ雪がうっすらと残る4月…ちょうど今頃。
大学の学生寮でだった。
同じただの寮生ってだけで、年も2つ違えば性別も違う…何の接点もないわけだ。
しかし、いつからだろうか、意識し始めたのは…
新入寮生が入ってくると、必ず歓迎会が行われる。まぁ、一種の飲み会だが、そこで1年生である彼と初めて会話した。
偶然にも出身地が同じで会話が盛り上がった。
そんな小さなことがきっかけ…
飲み会の翌日から、会う度会う度お互いが小学生のようにちょっかいを出し合った。
日が経つに連れて、その絡みが面白くてしょうがなくなった。
そして、とうとう、彼のケータイ番号とアドレスを直々にゲットした。
なんだか嬉しくて、ドキドキが止まらなかった。
好きになっていたのだ。彼のことを…
彼とは毎日毎日メールもするようになった。
ある日、私は後輩の女の子と居酒屋へ行き、彼のことを相談した。彼女は快く応援してくれた。しかし、彼女はいきなり、
『じゃあ、思い立ったが吉日ってことで、今からコクりに行きましょ』
って…
気が動転した。現在、深夜2時。こんな時間にっ。ありえなぃよ。ましてや、寝てるじゃん、普通、この時間。
しかし、迷惑なのは覚悟の上でメールした。
『今からお散歩行かない?』
って、無理に決まってん…
『いいですよ。』
起きてたぁーーー。
ホッとしながら後輩と寮で別れ、今度は彼とお散歩。
場所は近くの湖のある公園。
なんだか照れて、いつもみたいにうまく話せない…
何話そう…
バカな私は、何故だか唐突に、
『好きな人はいるの?』
って、バカーーー。
何聞いてんだぁ。
『さぁ。どうですかね。それより、先輩は?』
交わされたぁ…
『いや…あの…誰だぁ。さぁて誰でしょうか?』
何クイズ出してんだ。
私のバカ。
『教えて下さいよぉ。』
無理。絶対無理。
『う〜ん…じゃ、そこの角曲がったら言うよ。』
早くも角に到達…
『誰ですか?』
『やっぱり、あっちの電柱行ったり話す。』
電柱に到着…
『誰ですか?』
やっぱり答えられない。
結局こんなことを4回繰り返した。
そして、だいぶ公園も離れ、バス停前に到着。
そろそろ言わないと…