子供の頃、近所のみーちゃんという女の子と毎日遊んでいた。 別に遊ぶ約束をするわけでもなく、学校から帰ったら一緒に遊ぶのが当たり前の事だった。 二人の楽しみは、毎日のおやつだ。 10円を母からもらい、みーちゃんもママから10円をもらって、一緒に買いにいった。
当時は10円でも色々なおやつを買う事ができたものだ。
ポリポリ食べるラーメン、砂糖がびっしりくっついた串にささったカステラ、桃色のアイスキャンディを食べると、舌が吸血鬼の様に真っ赤になった。 僕らにとって高嶺のはなはマーブルチョコレートだった。 カレー味の煎餅は20円、二人のお金を足しても、買う事ができたが、マーブルは30円、二人のお金を足しても買えなかったからだ。 「マーブルたべたいね」 「うん、たべたいね」 「青のはうまいんだよ」 「違うわよ、オレンジと黄色がおいしいのよ」 子供の頃は、味よりも、色、だった。 大人になると違った意味で、色、なのだが・・・