夏のある日のことです。
夏王子は姫神を探しておりましたー…
「夏王子さま少々お待ちを…」
「いつになったら姫神が見つかるのだ。
さっさと見つけてこい」
夏王子は、怒りが募るばかりでした。
その時ー…
一人の若い女のヒトが現れました。
「夏王子さま、必ず稲荷神様に頼んで、お米をたくさん作れるようにするので、しばしお待ちを!」
「お前、顔を見せぇ」
夏王子はやっと姫神様を見つけました。
「よく気がついたわなぁ…ほう…この前髪が目につくか否かだなぁ……きれいだ。」
「姫神さま、オレと契りを交わしてください。」
「いきなり契りか?
もっとお互いを分かってから契りをしないか?」
契りを姫神と交わさねばこの国は終わってしまう…
だが…
契りを交わすまでに時間がかかりそうだな…
「姫神様。オレは姫神様を愛して契りを交わすのではない。
国のために契りを交わすのだ。」
「そう。それがどうしたの?まずはお手並み拝見ってとこよぉ?」
姫神は口だけで笑った。
この時、オレは姫神に恋をしたんだ。