広大な荒野に白い羊を連れた男がいた。男は羊飼いではなかった。なぜ、男が白い羊を連れているのか?それは半年前に遡る。男はマルマリ国で国宝であるドラゴンキラーという大剣を盗んだのだ。男はまんまと逃げられると思ったがあっけなく捕まってしまった。男は明日の昼に公開処刑されることになった。捕まった夜、独房で脱獄の思案をしていると体が冷たくなってきた。ふと、何かの存在を感じそこに目を向けると細長い背格好の黒いローブ着た男が立っていた。顔はフードに隠れており、性別しか分からなかったが異様な感じがした。男は身構え、黒いローブの男の出方を待った。黒いローブの男は囁くように二言何か喋ったようだったが聞き取れなかった。すると、黒いローブの男が今度ははっきりとした言葉で「お前、あの男の・・・」 男は「何の事だ?」 黒いローブの男はまた囁くように聞き取りにくい言葉を発した。 すかさず男が「おまえは何者だ?俺に何のようだ、もしかして俺を地獄に案内する死神か?」 黒いローブの男は「いいや、違う おまえここからでたいか?」 男はけげんそうに「なんだ、俺をここから出せるのか?」 黒いローブの男は「ああ、だせるとも、しかし条件がある」 男「なんだ」黒き羊を見つけるのだ・・・