翌日、あゆみからメールが来た。「連絡先、ありがとう。早速原始メールを送ります。写真、いいのがないので2年ぐらい前のでもいいかなー?それと、できたらKISARAさんの原始メールも欲しいです。連絡先書いて送りますから。」
そんな内容だった。KISARAは「マジかぁ…。貰うのはいいけど、送るのはなぁ。しかも、2年前のって。気にしてるんかなぁ…。」と小さく呟いた。
KISARAは大の写真嫌いで、あゆみに送っていいような写真は探してもなかった。そもそも笑顔の写真がほとんどない状態だった。
2日後ぐらいだろうか、速達でその原始メールは手元に届いた。何で速達なん?という思いと母に「新潟からラヴレターが着てますけど、誰?」という問い詰めに赤面しながら受け取って部屋に鍵をかけた。
見た目、実にこれぞラヴレターと言わんばかりのかわいい封筒に手紙と写真が同封されていた。
封筒の裏にはあゆみの住所が書かれていた。「森下あゆみ。ふ〜ん。森下か…。ホンマに新潟やな。」と実にくだらないことにも驚きを隠せなかった。
ドキドキしながら初めてメル友の顔が明らかになることへの期待を感じつつ、写真を見た。
「えっ!めっちゃ綺麗な人…でも、マジであゆみか?」KISARAにそう思わせるだけの美人であった。
じっくり写真を眺めた後、ちょっと笑ってしまった。確かに写真の日付は2年ほど前。そんなことはどうでもよかったが気になったのは、何やら、宴会場で撮られた写真だったこと。
「最も、メル友相手に送る写真としては不適切ではないか?」とKISARAは思ったがあゆみならやりかねない…と思うと思わず笑ってしまった。
便箋2枚にいかにも女の子といった文字で写真の説明…ほぼ言い訳だったが。やら、いかに送るのにドキドキしてしまったか、KISARAさんからの原始メールを心待ちにしています。などが
書かれていた。最後にしっかりと、「ここに送ってね。」と一言添えて住所とともにケータイの番号が書かれていた。KISARAはまた「マジかぁ…。」と呟いた。数時間悩んだ挙句、思い切ってあゆみに電話してみることにした。