カーディナル8

ぬし  2007-11-30投稿
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長い廊下を走り抜けギリアム達はようやく牢獄の出口に辿り着いた。

(カイエン...。
生きているだろうか?)

ギリアムはカイエンの身を案じていた。
「ハンゾウがいないぞ」
カーレルが気がついた。
「ハンゾウのことだから一人で逃げたのかもしれないわね」
クレアがいった。 ハンゾウは不思議な男だった。
全身黒づくめの装束で頭巾をかぶり誰も顔を見たことがなかった。
なにを考えているのか分からない不気味な存在であった。
侵入部隊の隊長だけあって音もなく忍び込み暗殺や火計を得意としている男である。
出口の向こうは橋になっている。

その橋の中央付近に何やら男が立っていた。

全身に竜を模した黒い鎧を着ており、顔は見ることができない。

「ここを通りたければ我を倒していけ」
騎士はそう言い放つと腰から下げた二本の剣を抜いた。

「俺が相手をしよう」そう言うとカーレルが素手で騎士に殴りかかった。

「貴様に用はない!」騎士は指先から不思議な黒い光を放つとカーレルは苦しみその場に倒れた。

「魔法!?」
この男ただ者ではない。
クレアが気づいた。クレアにも魔法が使えたが指先だけで相手を倒すのは不可能であった。
相当な使い手だ。

苦しみだしたカーレルの体がみるみるうちに変わっていく。
口は突き出し。
体にウロコがビッシリ生え、シッポが出てくる。
まるでトカゲのような姿になり気を失っている。

「我が求めるのは絶対の強者のみ!
百獣の王ギリアム=ガゼル、ご相手願おう」
そう言うと騎士は没収されたはずのギリアムの大剣を地面に突き刺した。

ギリアムは剣を取り騎士に向かい一撃を放つ。

ガキン!

騎士はギリアムの剣を軽くいなすとそのまま肩に剣を叩き込んだ。

「グワ!」

ギリアムの肩から大量に血が吹き出した。

「弱い!百獣の王と言われた男がその程度の力か。
弱者よ。死ぬがいい!」

騎士の剣がギリアムの頭目掛けて振り下ろされる。

もうだめだと思ったその時騎士の腕が炎に包まれた。

騎士が怯んだ。

クレアが何やら呪文を唱えている。

「私がお相手しましょう」

クレアはそう言い、臨戦態勢を取る。

「小娘、多少なりとも体に魔を宿した程度ていい気になるな」

騎士がクレアに襲いかかった。

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