〓薄暗い部屋の中で〓
「やっぱり駄目なのか?07−ロミオは?」
ボスが葉巻に火を着けながらもう一度聞く。
「…!!何度も同じ事言わせないで!!」
ジェシカが酷く興奮した口調で言う。しかし自分が取り乱している事に気付き。
「…すみません。ボス…しかし、生命体の持つ戦闘能力をフルに使うにはやはり、人間のココロと言う物が必要不可欠だと私は思います…」
ジェシカの意見を暫く黙って聞いていた後ゆっくりと口を開く。
「……そうか…分かったNO-07については君に一任する…ククッ…早く他のナンバーズ達の様に優秀な殺戮マシンになる事を期待しているよ?それでは私は幹部会議があるので失礼する」
葉巻を床に投げ付けてドアに向かう。
「はっ…!気を付けて行ってらっしゃいませ」
ジェシカは敬礼をした後深くお辞儀をする。
「あぁ…またこの研究所にはまた寄らして貰うよ」
ボスはそれだけ言い残して研究所から出て行った
ジェシカはボスが出て言った後デスクに座り何やらパソコンをいじりだして。
「どうして精神が安定しないの?…これじゃあ実戦なんて無理じゃない!」
ひたすらパソコンを打ちながら頭を悩ませる。
それから…数日後…研究所内にあるシミュレーションルームでジェシカとロミオが二人で話しをしている。
「いい?ロミオ、ママの話をよく聞きなさい…」
ロミオは震える手で自分の身長よりも大きな鎌を片手で持ち、静かにジェシカの話を聞こうとする。
「………はい………」
「ママとパパはね悪い事をする人を懲らしめてあげるお仕事をしてるのよ…分かる?」
「……………………」
「貴方は頭良い子だから気付いてると思うけど…貴方にもパパとママのお仕事を手伝って欲しいのよ」
「……悪者を倒す?…」
「そうよ!悪い人達を倒す正義の味方になって欲しいのよ!」
「うん……分かったよ、僕本当は戦いなんてしたくないんだけど、ママに頼まれちゃあ仕方ないよ…僕やる!!」
「あぁ…良かった…ロミオ貴方は優しい子ね…」
ロミオの頭をゆっくり撫でながら。
「エヘヘ…僕頑張るからさ…ママ…そのかわり何処にも行かないで…僕の傍に居てね…」
「フフッ…いいわよ…貴方達の傍にいるわ…」
ロミオを優しく抱きしめて。
「(精神安定剤を投与した甲斐があったわ…扱い易くなったじゃない)」
第3話完