第?章
約束ノハジマリ
病弱だった私には友達の作り方がわからなくて、友達と呼べる子がいなかった。
いつも母の後ろに隠れて…俯いてばかりいた。人懐っこい子達も、初めは、
『一緒に遊ぼう』
と声を掛けてくれるが、私には…
『うん。』
と言う言葉が喉の奥に突っ掛かっていて、勇気がでるまで時間がかかった。
やっとの思いで声を出そうとした時にはもう、友達の姿はなく、後悔だけが私の中に残る、
その後悔が悲しみに変わり、グズグズ言って母を怒らせる。
その繰り返しだ…!
グズル私に怒ってる母に対しても、しゃべるのが苦手な私は、
『ごめんなさい〜もうグズグズ言わないから〜』
って言う言葉が最大級の謝罪で…それ以外に謝り方を知らなかった。
でも母の怒りは、グズグズ言う事ではなく、毎回同じ事をして、毎回謝って、毎回
『もうグズグズ言わないから』
と言って…私の言葉の薄っぺらさに。嘘に近い私の謝罪に怒っていた。
でも私は…幼い私は、グズった事を怒ってるのだ思い、ただひたすら謝った。
でもバレエを始めて半年も経たない頃には、バレエという自信が私に友達をくれた。
人見知りが激しかった私にも、バレエを通して友達ができ、人見知りを克服する事ができた。
すると、子供とは不思議なもので、1つ成長すると、3つは、できるようになる。
本当に成長が早い生き物!
私の場合…バレエで友達ができると自然と近所の子達とも遊べるようになりました。すると、病弱だった、私の体も元気いっぱい走る事ができるようになり、俯いてばかりいた私が笑顔を覚えた。