漆黒の翼 31

龍角  2007-12-01投稿
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一週間前


龍華、ジュリア、力也の三人は執行部の部長である狩屋源に呼び出され、こうして今、狩屋の机の前に集まっている。


「突然だが…お前らには一週間後、北海道へと飛んでもらう。」


狩屋がそう言い放った瞬間、3人の顔は真っ青になり、冬の北海道に負けない位…凍り付いた。


「飛ばすって…
左遷ですか…!?」

龍華の凍り付いた顔が砕け散り驚愕の表情へと変わる。


「ちょっと待てよ…そんな…」

ジュリアはぼそぼそと凍り付いた顔で呟く。


力也は…凍り付いたを通り越して凍死した様な、この世の終わりが来た様な顔をして口をポカンと開けている。


そんな三人を見て狩屋は吹き出した。


「ぉ前ら…予想通りのリアクションだなぁ!!
安心しろ…北海道へ出張してもらうんだよ。」


狩屋の言葉を聞いた途端、三人の顔は氷解し、胸を撫で下ろした。


「なんだ…びっくりした…」

「悪い冗談は辞めて下さいよ…」


「良かった…
本当に飛ばされるかと…」


「まぁ冗談はこれ位にして出張の内容はだな…」


狩屋はそう言うと机から新聞を取り出した。
見出しのには『アイラ民族自治区でコア・ブレイク』

『温泉街が市の街に』

『市街地閉鎖、死者・行方不明者230名』
との文字があり、一面の写真には目茶苦茶に破壊された温泉街と、そのバックには水色の噴煙を上げる山が写っていた。



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