一週間前
龍華、ジュリア、力也の三人は執行部の部長である狩屋源に呼び出され、こうして今、狩屋の机の前に集まっている。
「突然だが…お前らには一週間後、北海道へと飛んでもらう。」
狩屋がそう言い放った瞬間、3人の顔は真っ青になり、冬の北海道に負けない位…凍り付いた。
「飛ばすって…
左遷ですか…!?」
龍華の凍り付いた顔が砕け散り驚愕の表情へと変わる。
「ちょっと待てよ…そんな…」
ジュリアはぼそぼそと凍り付いた顔で呟く。
力也は…凍り付いたを通り越して凍死した様な、この世の終わりが来た様な顔をして口をポカンと開けている。
そんな三人を見て狩屋は吹き出した。
「ぉ前ら…予想通りのリアクションだなぁ!!
安心しろ…北海道へ出張してもらうんだよ。」
狩屋の言葉を聞いた途端、三人の顔は氷解し、胸を撫で下ろした。
「なんだ…びっくりした…」
「悪い冗談は辞めて下さいよ…」
「良かった…
本当に飛ばされるかと…」
「まぁ冗談はこれ位にして出張の内容はだな…」
狩屋はそう言うと机から新聞を取り出した。
見出しのには『アイラ民族自治区でコア・ブレイク』
『温泉街が市の街に』
『市街地閉鎖、死者・行方不明者230名』
との文字があり、一面の写真には目茶苦茶に破壊された温泉街と、そのバックには水色の噴煙を上げる山が写っていた。