二人の天使の腕の中で、出てきたばかりの赤ちゃんがニッコリ笑っていた。
赤ちゃんの背中には、まだ羽は生えておらず、男性の象徴も、女性の象徴もついていなかった。
二人の天使は、笛を吹いていた天使の方を向き 深々と頭を下げて、幸せそうに帰っていった。
ふっ、と影が顔を覆った。
顔を上げると、そこには、真っ赤な髪に長身で、銀の鎧をまとった綺麗な天使が立っていた。
「これは、アークエンジェル(A)・ミカエル様!!」
そう言うと、深々とひざまついた。
「マリエル、顔を上げろ。俺が ひざまつかれるのが嫌いなのは知っているだろ?」
するとマリエルは、ゆっくり顔を上げ、A・ミカエルを見て微笑んだ。