少年は泣いた
空を見上げると、鉄の豪雨が降っていたから。
少年は憎んだ
綺麗な空を汚した奴らを。綺麗な空を汚した兵器を。
聖書には敵をも愛せと書いている。
イエスが言ったからといって、それがこの世の理(ことわり)とは限らない。
イエスでさえ「神」ではないのだから。
不確定要素を並べても、答えは曖昧なものしか生まれず。
ただ無散していくだけだった。
なぜ人はこうまでして生きようとする?
殺しあってまで求める世界になにがある?
全ては無為。
ただ少年の頭の中だけで泡になって消える。
血・涙・汗・時代…
流れるものは全て流れ…残されたものは…
一体何がある?