俊也は何も言わす私を抱きしめつづけた。
俊也の思いが私の身体に甘く溶け込んでいくのが、どうしようもなく心地よく・・私もその時間をとめることが出来なかった。
どれぐらい時間を経ったのだろう・・この甘く、せつない時間を断ち切ったのは・・私の携帯の着信音だった。
携帯は・・一也からだった。
私は、携帯にはでなかった。
だけど、二人の間にあった先ほどまでの空気は、いとも簡単に壊され、変わって気まずさに似た空気が漂いはじめようとしていた。
しかし、俊也がまたソレを覆すかのように、私の手を強く握り話しはじめた。
「わからないんです・・本当に、どうしていいかが・・!ただ・・出会った日から、ずっと・・頭から、あなたのことが離れてくれないんです。
あなたに電話したのも、あなたの口から僕を突き放してくれたら・・」
ここまで言ったとき・・私は自分の唇で、彼の言葉を遮った。
私達の甘くてイケナイ関係が・・走りだした。