5月1日…。
彼女は駅の改札口で待っていた。これから遠距離になることが嘘のような笑みがこぼれている。しかし自分の心は涙で濡れているのだ。
映画を見に行きたいという、彼女に私はしたがう。
映画のチケットを買う時に彼女に聞いてみた。「あと3月だなぁ…アメリカに行くまで。」
本当はこんなことは言っては行けないのかもしれない…
でも、私は自分の気持ちを抑えきれずいたのだ。
「うん…でも、それまでいっぱい楽しもうよ。」彼女は言った。しかし、その目は偽りの目だったのだ。どんな気持ちかはわからない…が、顔の表情は仮面で隠されていたのだ。
私の心は複雑だった。本当の自分がどれかもわからなくなるほど…。
「さぁ、入ろうか。」という自分の姿がそこにはあった。私と彼女の周りは、黒い影だけが残っていた…。