「YOUはSHOCK♪」
少年は鼻歌を歌いながらデパートを歩いていた。
「まったくデパートとはやかましい所だ…ん?」
少年の先から陽気な声が聞こえてきた。
「なんだ!?」
少年は声のする方へと走った。
「ウォウ♪ウォウ♪イェーァ♪」
近頃流行りのダンシングサンタだ。
「貴様。人前で何のまねだ。」
おもちゃに話しかけてるお前の方がどうかと思う。
「ウォウ♪ウォウ♪イェーァ♪」
ダンシングサンタは狂ったように踊り続ける。確かに少し怖い。
「貴様…まさかやつの使いか。」
だからやつって誰さ?
「その踊りは死の舞だな?知っているぞ。周りの人を一緒に踊らせての疲労と呪いと共に内蔵から何から全て破壊する恐ろしい舞だな?」
意外にグロいな…。
「ウォウ♪ウォウ♪イェーァ♪」
ダンシングサンタは止まらず踊り続ける。
ザワザワ…
そしてやはり少年の周りには人混みができてしまう。
「止まれ。そうすれば命だけは助けてやろう。」
「ウォウ♪ウォウ♪イェーァ♪」
「どうやら痛い目に合わないとわからないらしいな。」
バギッ!!
少年はダンシングサンタを殴り飛ばした。
殴られた吹き飛ぶサンタ。帽子が外れて転がるサンタ。哀れサンタ。
「ウォ…ヴォア♪ヴォ…オォォオオォオヴェォァ♪」
転がったダンシングサンタからは精神崩壊曲が流れ始めた。