結奈との話し合いの席が持たれた日から一日が経過した。
龍雅は会社が借り上げた街郊外の倉庫にディア=パノスを格納しそれの整備に追われていた。
倉庫にはディア=パノス以外のストライカーも多数格納されており整備工達が声を荒げながら作業に奔走している。
するとそこに上下迷彩服姿のシェイルがやってきた。
シェイルはディア=パノスに向かって話し掛けた。
シェイル「修理はどれくらい出来たのさ?」
するとディア=パノスのハッチが上に開き、そこから龍雅が現れた。
龍雅「機体の方は問題ない。各部冷却機関と空間方位機に多少の手直しがいるが、そんな事よりダブルトマホークの研磨作業はまだか?」
シェイルはため息をついた。
シェイル「無茶言わないでよ!大体あんなでかくて先時代的な武器、修復出来るやつなんかそんなにいないんだからさ!!」
龍雅はディア=パノスから飛び降りシェイルの元に歩み寄った。
龍雅「最近の奴らの動きについて俺は思うことがある」
シェイル「場所を変えた方がいい?」
龍雅「休憩室に行こう」
龍雅達は六畳程のヤニ臭さが残る部屋に入り互いにテーブル越しのハイプ椅子に腰掛けた。
シェイル「何か気が付いた事でも?」
龍雅「これまで戦って来た奴らに関して何だが…実は戦った後にいつも事後調査をしていたんだ」
龍雅は首にかけてあった手ぬぐいで額の汗を拭き取りながら続けた。
龍雅「これらの組織に共通することは過去に存在した革命教団の活動には加担していたが復活した革命教団の活動には否定的な立場をとっている点だ」
シェイルは生唾を飲み込んだ。
龍雅「これはまるで何かの事実があり、それを隠すかのような…」
龍雅は何気なくリモコンを取りテレビの電源を入れた。
テレビでは昼のニュースが流れていた。
男性アナウンサー『昨日の夕方未明C県BZ市で複数の少年が殺傷される事件が起きました。目撃者の話では殺傷された少年グループの中に高校生くらいの少女もいたという情報もあり警察ではその少女の行方を追っています』
龍雅は顔をしかめながらおもむろに携帯電話を取り出した。
そして、結奈に電話をかけた。
しかし、電話は繋がらなかった。
その瞬間、龍雅の表情はより一層険しいものへと変化した。